恋とオリジナル絵本

絵本には、人間のドラマを動物やいろいろな生き物に擬人化して描いているものが数多くあります。そのほうが書きたいテーマをギュッと凝縮して象徴的に書けるからです。また、そういうシンボライズされた登場人物に設定することで、読者の解釈の幅も広がります。それぞれの読者は置かれている環境やそれまでの過去の体験から、その絵本の内容をさらにイマジネーションによってふくらませ受け取るのです。つまり、1冊の絵本はイマジネーションをふくらませるための材料ともいえます。だから絵本は長く読み継がれ、何度も読まれるのかもしれません。絵本を読むということは、常に作者の書いたものプラスそのときそのときの読者のイマジネーションだから、古くもならないし、読むたびに、また、読む年齢によって少しずつ受け取り方も変化するのです。

絵本とイマネジネーション

絵本とは、簡単に言えば、絵とストーリーを組み合わせてつくるメディアです。そして絵本には、他のメディアと違う特徴があります。それはいつまでも古くならず、はやりすたりがないということです。どんなに古くなっても評価されている絵本は、20年も30年も同じように売れ続けています。絵本は子供向けだから読者がどんどん入れ替わっていき、1年生向けの本なら毎年新しい1年生が読者対象になる。だから、いつも新鮮に受け取られて長く売れ続けると思っていませんか?しかし、大人向けの絵本も、同じように売れ続け、毎週のようにベストテンに入っているのです。なぜなのでしょうか。大ベストセラーになった小説やエッセイは、そのときにはものすごく売れたのに、今も同じように売れ続けている本はほとんどありません。
ではなぜ、絵本だけ古くならないのでしょうか。おそらく、絵本はイマジネーションによる部分が大きいからではないでしょうか。絵本は情報量が少ないぶんだけ自由に想像できます。イマジネーションを自由に働かせ、自分の世界が広がるほど、絵本は読む人のものになっていきます。つまり、絵本の醍醐味はイマジネーションにあるのです。もちろん、テレビドラマや映画でもイマジネーションを働かせることはできますが、特に絵本は、シンボライズされた世界や人間にとって本質的なことを象徴的に描いているものが多いので、よりイマジネーションをふくらませやすいのだろうと思われます。

絵本というメディアは単に子供用のものというより、人生や恋愛の本質をギュッとつめ込めるメディアとも言えます。絵本と恋愛には二つの共通点があるのです。ひとつは人生の本質。もうひとつはイマジネーションです。男と女が恋をし、結ばれて子孫を残してきたからこそ、人類は、400万年の歴史を残しているのです。そして、恋愛する心の中でイマジネーションは、相手のことを想像したりするという、重要な働きをしています。