『だいじょうぶ だいじょうぶ』(作・絵:いとうひろし)

だいじょうぶ だいじょうぶ
人生には自分を評価してくれる誰かが必要なのではないでしょうか。

この絵本は、何が大丈夫なのか、わからないけど、そういう人がいてくれることで、人間は成長したり、変化することができることを書いているのでしょう。生きるということは、生まれたときから死ぬ瞬間まで、毎日毎日初めてのことだらけとある人が言っていました。はじめてのことは不安なものです。ということは、みんな不安をいだいて明日を生きているわけです。「初めて」と戦いながら生きているのが人生で、だからこそ、そばにいて、大丈夫、大丈夫と見守ってくれる、肯定してくれる人がいることで勇気づけられます。好きな相手が自分を肯定してくれるからこそ、前に進んでいこうという気持ちになれるのです。お互いに大丈夫、大丈夫と言いながら支え合っていくのが理想なのかもしれません。

『壜(びん)の中の鳥』(作:寺山修司、絵:宇野亜喜良)


壜(びん)の中の鳥
愛し合ってもいてもすれ違ってしまうのが男女

鳥になりたいムギと人間に戻りたいサキ。生涯にたった2度だけ願いを叶えてくれる2度神にサキとムギはお願いをしました。ところが、お互いに同じ種類になりたかったのに、二人はすれ違ってしまったのです。運命のいたずらですれ違ってしまうのは、どうしようもないことかもしれません。でも、すれ違いの多くはコミュニケーション不足くるのではないでしょうか。この絵本は、運命には逆らえないせつない悲劇を描いていますが、もう一つにはどんなに相手を好きだという気持ちがあっても、もっとコミュニケーションを持って相手の心を知ることが大切だという教訓が込められているのではないでしょうか。好きな人がいます、相手も自分のことを愛してくれています。そこで、終わってはいけないのです。人の気持ちは言葉にしないと伝わりません。人の心は変わるものだから、いつもお互いの心を確かめ合う努力をしなければなりません。

まとめ

絵本てこんなにメッセージがあると具体的にイメージができたのが今が初めてです。大人になると、絵本を読む機会はめっきり減りますが、例えば、子育てを通してもう一度絵本と向き合う時、子供の頃はストーリーとしてのおもしろさを感じていただけの本が、人生の教訓を伝えていると気づくのではないでしょうか。小説やドラマにはない絵本だけが伝えられるメッセージ力があるのではないでしょうか。そんなメッセージ力のある絵本を、子供にオリジナル絵本として、自分の人生訓を渡すことができたら、いいなと思いました。